2009年08月06日

人の心を持った犬〜最期の物語

雄大な日本平、そして自然豊かな有度山が目に浮かぶようです。この自然のなかで、太郎は生まれ育ち、優しさが育まれたのかもしれません。


この本は、前作「人の心を持った犬〜野犬・太郎と私の日本平物語」の太郎最後の日々が綴られています。

人の心を持った犬―野犬・太郎と私の日本平物語 (幻冬舎文庫)
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前作は、太郎の悲劇的な生い立ちと、著者である遠藤初江さんと太郎をめぐる周囲の冷たい対応が印象的でしたが、今回は、遠藤さんと太郎、そして2人(1人と1匹ではなく)をめぐる暖かい交流が描かれています。


前作でも書かれていた通り、太郎は何者かによって、殴打されたことがもとで死に至るのですが、太郎の最後の日々はまさに、人と犬とをこえたつながりを感じさせるものでした。


太郎の毅然として心優しい性格は、多くの人々を惹きつけ、2人のまわりには、決して多くはないですが、2人にとっては何者にもかえがたい出会いをもたらしました。


なにより、自分の身を削ってまでも太郎に愛情をそそいだ遠藤さんには、ただただ無償の愛、人と動物の垣根をこえた慈しみというものを感じさせてくれました。


悲しいかな太郎を死に至らしめたのも人間です。太郎にとって人間ほど罪深い生き物はなかったのかもしれません。


しかし、太郎を最後まで見捨てなかったのも人間です。最後まで人に心を許さなかった太郎が唯一心を許したのは、遠藤さんと数人の方々でした。


最後の太郎と、遠藤さんの状況は、読む者の涙を誘うほど、切なく悲しいものでした。ただひとつの救いは、太郎が唯一のより所とし心を許し、人間の優しさというものを初めて教えてくれた遠藤さんの胸の中で旅立ったことでしょう。


今はの際の太郎は、雄大な日本平とうっそうと茂る有度山で、仲間たちと共にすごした日々を思い描いて旅立ったといいます。


太郎のその悲劇的な一生のなかで、遠藤さんとの日々は太郎にとってかけがえのないものだったと思います。


そして、太郎という何者にもかえがたい家族を得た遠藤さんも、太郎と太郎を通して得た人々というかけがえのない遺産を得たのだと思います。


太郎のご冥福と共に、願わくば、露庵が再開されることを祈るばかりです。

人の心を持った犬―最期の物語
人の心を持った犬―最期の物語

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posted by hermit at 08:08 | Comment(6) | 動物(本)
この記事へのコメント
「人の心を持った犬」太郎と私(著者)
におかけ下さるお気持ち嬉しく思いました。

時とともに心を脱皮させております。

新たなブログ拝見し思わずコメントいたしました。益々のご繁栄こころからお祈り申し上げます。
Posted by 遠藤初江 at 2009年08月09日 21:49
遠藤さん

コメントありがとうございます。
愛犬太郎とのお話とても良かったです。
執筆等これからも応援しております。
Posted by はーみっと at 2009年08月11日 06:39
はーみっとさま

太郎が貴ブログの人気記事ランキングで、
第一位になったのですね!
とっても嬉しく思います。

凄い勢いで売れていた頃が強烈に思いだされてきました。
街じゅうの書店さんで平積みで売れていた頃が……

小さな書店さんでさえ
「本当によく売れました!」
「僕等儲けさせてもらい感謝です」と
今でもありがとうとお礼を言われます。

誰もが良いおもいに浸れる世界をつくって
逝った「人の心を持った犬・太郎」を
私は決して忘れはしません。


暗いほら穴から出た今の私に貴ブログから
いっぱいの力をもらっております。

ありがとうございました。

残暑のなかお大切に。


Posted by 遠藤初江 at 2009年08月23日 18:15
遠藤様

ブログ内アクセス数1位ということで
人気は健在なのでしょう。

これからも応援しております。
ありがとうございます。
Posted by はーみっと at 2009年08月26日 10:58
お久しぶり(五年ぶり)ですがお元気でお暮らしですか。
私も一生懸命いきております。

やっと、13年かけて、「人の心を持った犬・太郎傷害事件」の全容がわかりました。それは清水警察署側のお取り計らいで苛めの対象者や真犯人に至らなかった全容が取り調べ調書等によって私に知らしめられたからです。絶対に不可能な対応を真摯に警察はしてくださいました。ほんとうに感謝申し上げました。長年に渡って対応してくださいました刑事さんのお心のおかげも大だったと思いました。13年かかりました。
でも、私にとっては13年はあっという間の時でした。
関係した者たちの5人は全員不幸な環境に自らオチイッテイルという。
お気の毒です。
13年のうちブログは10年ですがその間に書き残し続けた言葉、文章は1000万字ほどになっております。私の心の軌跡です。悪い心や哀しいこころや、怒り、悔しさの負の悪い心など、殴り書いたものの跡です。
今夜は過ってあなた様のお書きになられた文章によってどれほど私が力づけられ、生きようと思った事に対して御礼を申し上げたいとふっとお書きしました。
ありがとうございました。

書き綴った文は私の貴重な財産となっております。どれほど一途に太郎という1頭の犬に心奪われ、その死の不条理さにじぐるって生きたか私は私がかわいそうだ!と思いながら綴ったものですから。

でも、もう大丈夫。
清清とした今がありますから。

年の瀬、どうぞご多幸とご健康をお祈りいたします。
Posted by 遠藤初江 at 2014年12月23日 21:46
梅雨の最中
お元気でお暮らしですか。

私がメールした最後の日は2014年12月23日。
其の二日後真犯人特定した報告を清水警察署へ出向きしらしめました。
警察の対応は真摯で人間味あるものでした。
とっても、信じがたい親切を私にしてくださいました。
だから、すべてを許す事にしました。

午後1時に出向き真っ暗闇になったころ、6時過ぎ署を出ましたがその玄関先まで見送ってくださり「気をつけて帰えるのですよ」と優しい言葉を背に受けながら私は家路をいそぎました。
家には猫のちゃちゃがお留守番していましたから……

清々とした気持ちを持ってブログをアップいたしました。

新年、2016年1月になって、急に体の不調に襲われ、床に臥す事が多くなり、食欲も失いましたが、何の処置もせずまま、一月、二月、三月の下旬まで自力で治そうと一人がんばっていました。

ところが、その病はとんでもないものでした。
下部胆管癌、ステージ4
でも私は恐れをいだきませんでした。

13時間余りの大手術後、今日で1年2ヶ月。
急速に体は回復にむかっております。
治療方法がないのです。
薬の投与は皆無です。
どうしているか、食事とささやかなる運動が私の唯一の治療方法。
お医者も看護師さんも、私と接触するすべての人たちはみんな私が完治しない悪性癌患者とは全く気がつかないのです。

私は私の治癒能力に必死な思いを持って、挑み続けてきました。
その結果が今にあります。

そして今夜コメントしましたが、お読みいただけるかわかりませんが、私はお知らせしたくなりお書きしました。

申し上げたいのは、15年間アップし続けた私のブログ1400件余りを多くの人たちへお読みいただけたら幸いと、今は其の実現を必死な思いを持って望んでいますが……。

でも私の15年もの歳月に書き綴ったそのブログを全部読破なさってくれたお方がこの日本に居りました。

拍手の少なかった私のブログに突然何十件といった拍手があり、それがニカ月以上毎日ありました。
私は驚愕しました。
其のお方は二ヶ月間毎日全私のブログを読破いたしてくださり素敵なコメントをくださいました。

私でさえ再読いたすのが困難な数なのに、毎日毎日お読みいただいたのです。

感動で私の心は慟哭しました。

扶桑社発行の「人の心を持った犬ー最期の物語」の続編がやっと、つながりました。
人の心を持った犬・太郎」を死に追いやった人が……判ってラストシーンが
かけるのですから……。

其の物語は本当に私の命がけのもの。

絶対に恨みつらみでないこの物語の真の
テーマを万感のおもいをもって……。

私が私が綴ったブログ、15年を再読して泣いて泣いて、どうするんだ!

と慟哭しています。

私は目的を達成するまで死にません!

生きて、生き抜きます!


季節の変わり目御身ご自愛の程


追記、お読みいただけるかどうかわかりませんが、私の近況です。



Posted by 遠藤初江 at 2017年06月23日 02:45
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