2009年10月17日

【国際雑誌】COURRiERJAPONクーリエ・ジャポン(2009.11)

この雑誌は知ってはいましたがなかなか手に取る機会がなく、先日R+がきっかけで読んでみようと手に取った次第です。表紙を飾るのは音楽家坂本龍一氏です。その坂本龍一氏が本誌では「森と地球の未来―サステナブルな文明へ」と題し坂本氏自ら責任編集ということで特集されています。

坂本氏は自身が発起人となり一般社団法人moreTree(モア・ツゥリー)という、森林や環境を保護する団体を作っています。それを中心に国際雑誌の強みである世界各国の記者たちよりの環境への取り組みや環境問題の現状などを写真と共に紹介されています。火を使わず煮炊きすることでCO2を出さない「太陽熱コンロ」や開発が進み深刻な状況にあるアマゾンからの報告、また森林の破壊とともに絶滅が進むゴリラの現状など、豊富な写真と詳細な記事で地球環境の現在がグローバルな視点で報告されています。

また二酸化炭素を消費するぶんだけ植林・森林保護をするという取り組みカーボンオフセットについての取材や、また近い未来に起こりうるだろう4℃の気温上昇で世界の環境変化をビジュアル的な紹介もあり、4℃上昇するだけで世界の大半は海面上昇で失われ大規模な砂漠化に見舞われるという恐るべき近未来の可能性も紹介され、改めて我々文明社会と地球環境のつながりを感じさせます。

また坂本龍一氏のモア・ツゥリーも独自の森林保護活動が紹介されており、スポンサーであるルイ・ヴィトン5代目経営者パトリック・ルイ・ヴィトン氏と共に活動している長野県の森林再生プロジェクトも両者のインタビューと共に紹介されています。

第2の特集である「世界が採点する“HATOYAMA”」では、世界各国の記者たちによる新政権を独自の視点で5段階評価していくというこれも意欲的な内容です。欧米からアジアにいたるまで各国複数の記者たちの採点は、おおむねアメリカのオバマ大統領就任の際に見られたような期待と変化そして少しの不安を感じているようです。特に東アジアの国々はその大きな期待の半面まだ評価が定まらない新政権の様子をうかがっているが分かります。

そして後半の特集CAINASPECIALでは急速な経済発展を遂げた中国で、現在脚光を浴びる80后と90后を紹介しています。80后とは1980年生まれ、文化大革命も天安門事件も教科書でしか知らない新世代の若者たちです。90后も同じで1990年生まれの若者たちのこと。一人っ子政策第1世代からの若者たちで、親達からは十分な教育と物質的に何不自由なく育った若者たちです。90年生まれも同じく歴史的な負の側面にはこだわらない新世代の若者たちです。政治や社会また古い因習にとらわれない生き方をするこれらの若者たちは夜な夜なロックミュージシャンのライブに行き、次々にネットベンチャーで成功する者や政界へ進出する者まで現れ、新しい中国の牽引役となろうとしています。この若者たちはまさに改革開放経済の生んだ時代の寵児であり、新たな中国の可能性となりつつあるといいます。

経済記事ではゴールドマン・サックス証券が取り上げられています。現在の未曾有ともいわれる経済不況の中で多くのアメリカ国民の困窮の中、ウォール街ではすでに過去最高ともいわれる給与水準に戻ってきているといいます。また政府がこのような金融企業のマネーゲームを抑制できないのは政府中枢に入り込んだこれら証券会社の元幹部たちや、いっそうの金融市場活性化を求めるロビー活動の結果であることが書かれています。現在もゴールドマン・サックスをはじめとする巨大金融企業らは、新たな市場の開拓と確保や不況の今でもよりリスクの大きなマネーゲームで莫大な利益を上げようとしているという読者には痛切な記事でもありました。

本誌はコラムも充実しており特集と同じく写真を利用したビジュアル的な世界各国の記事が載せられており、読者としても文章と共にその場の空気というか質感が伝わるような面白く時には考えさせられる記事が充実していました。こういった国際雑誌はグローバルな視点で日本を見つめ直し、また時々刻々と変化する世界を知るためには格好の雑誌ではなかろうかと思います。環境から政治経済までまんべんなく押さえた良雑誌で、坂本龍一氏の表紙など論壇誌ばかりを読む私としては、見た目から内容までカッコイイ雑誌だなと思いました。

追記 現在Yahoo!のX BRANDでは
クーリエ・ジャポンのコラム
「あの“目立ちたがり屋”、
ヒラリー・クリントンを見かけない理由」
が読めます。


PRESIDENT
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posted by hermit at 04:50 | Comment(0) | 雑誌
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