2009年11月30日

【小説】世界の中心で、愛を叫ぶ

ノンフィクション読みとしてはこの種の純文学について語る言葉をあまり持たないことを、最初にあらかじめ正直に書いておきます。そうはいってもずいぶん前のベストセラーなので読んでみた感想なのですが・・・・。

世界の中心で、愛をさけぶ 小学館文庫
世界の中心で、愛をさけぶ 小学館文庫

う〜む、これってある意味ファンタジーですよね?ファンタジーっていうのは全く非現実的な設定であまりにもテンプレすぎるということかな。まだ学生の男女の純愛&白血病という設定、あまりにこの形式って多くありませんか?センテンスの端々に「これから泣けるところだぞ」って感じのレトリックがあって、案の定ラストでは病院から逃げ出した、ヒロインが空港で倒れる、そこで抱きとめた彼氏が“愛を叫ぶ”んですよね。(そこで平井堅がドーンみたいな)

恋空〈上〉―切ナイ恋物語
恋空〈上〉―切ナイ恋物語

これってその後(なのかその前なのか定かではないけど)恋空とかにも通じるものがありますね。恋空というのは聞くところによると、純愛を絡めつつ、単に性にだらしない男女の物語らしいのですが、こういうのは、ある意味様式美の世界というか、ちょっと脱線しますが、うちの母が物凄く韓流ドラマにハマッているんですけど、ストーリー展開がほとんど一緒って感じがするんです。そういえば、冬のソナタとかも白血病ネタだったでしょ。

鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)

もう少しあからさまにやるんなら浅田次郎御大ぐらい派手にやってくれないとなぁ。僕の場合、本書は何の感情の起伏もなくスーーっと読んでしまったという読後感でした。逆に批判の多かった「蹴りたい背中」は意外と好きでした。「蹴りたい背中」の場合、質感があったように思います。つまりは男の欲望というかそのへんの闇と、女の小賢しさというかそのへんのこともフォローしてた。

蹴りたい背中 (河出文庫)
蹴りたい背中 (河出文庫)

たぶん「セカチュー」があまり僕に受けなかったのは、全編を彩る爽やかさだろうなと思う。ちゃんと生死とか愛とか描かれているけど、反対の部分がまったく感じられない。そういう部分もありそうにはあるけど、これも青春とか爽やかとかそういうフィルターで誤魔化されていると思う。意外と面白かった部分はおじいさんが昔好きだった女性のお墓がどうのという部分かな。あれ以外特段感じるものはないような気がしました。

日曜日の夕刊 (新潮文庫)
日曜日の夕刊 (新潮文庫)

純愛もので好きなものといえば、まだ重松清のほうが良いと思う。彼は小説と同時にルポも書くから、人間描写がまだリアルだと思う。純愛でもそれぞれ過去や影を抱えていたりする。彼の小説もまたテンプレ的なものだけど、影や過去のなんかの人間像がはっきりしているだけでずいぶん印象が違うと思うのです。

人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1) (角川ホラー文庫)
人間椅子  江戸川乱歩ベストセレクション(1) (角川ホラー文庫)

腐しまくりましたが、まあ僕が読んだ小説といえば江戸川乱歩の人間椅子とか、そんなもので小説原体験が作られているので、まあご勘弁を。
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posted by hermit at 16:49 | Comment(0) | 小説・フィクションその他
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