2010年10月07日

ノーベル賞の文化勲章化を払拭するには平和賞が劉暁波氏に授与されること

スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2010年のノーベル化学賞を、北海道大名誉教授の鈴木章氏(80)と米パデュー大の根岸英一氏(75)ら3人に授与すると発表しました。

ですが有力候補として挙がっていたノーベル医学生理学賞は、新型万能細胞「iPS細胞」を作製した京都大学の山中伸弥教授(48)が有力と地元のメディアが報じるなど期待が高まっていたが、今回は受賞とはなりませんでした。

今回の日本人2人の受賞の一方で、受賞に期待がかけられているのが中国の人権活動家、作家の劉暁波氏です。劉氏は中国共産党による一党独裁の廃止を求める「08憲章」を起草したとして、国家政権転覆扇動の罪で懲役11年の実刑判決を受けて服役中の人物であり、wikipediaによると、中国民主化運動に多大な影響を与える人物の一人だといいます。しかし、ノーベル平和賞最有力といわれる劉氏に対して、中国政府は不快感を示しています。

中国外務省の姜瑜・副報道局長は28日の定例記者会見で、共産党独裁の放棄を求めるなどして服役中の著名な民主活動家・劉暁波氏(54)が今年のノーベル平和賞の候補に挙げられていることについて、「中国の法律を犯し、判決を受けた人物であり、あらゆる行為が平和賞の趣旨に背くものだ」と不快感を示した。

 また、姜氏は「中国の憲法と法律は、法に基づいた言論の自由を保護している。各国で人権について異なる見方があることは正常なことだ」と主張した。(YOMIURI ONLINE


さらに

劉暁波氏へのノーベル平和賞授与の可能性が取りざたされていることをめぐり、ノーベル研究所のルンデスタッド所長(ノルウェー・オスロ)は、中国の傅瑩外務次官から授賞は「中国とノルウェーの関係に否定的影響を及ぼす」と関係悪化を警告されたと明らかにした。28日のAP通信などが報じた。(毎日新聞2010年9月29日


など中国政府はノルウェー政府に対しても劉氏のノーベル賞授与は両国の関係を悪化させると示唆しています。

かねがねノーベル賞にはの影響力の大きさから色々なことが取りざたされていました。今回の日本人受賞に関して、そのあり方について様々な指摘がなされています。

ノーベル賞、特に自然科学部門の賞はその性質として必然的に19世紀末以降の科学史をなぞるようになっている。その歴史は基本的には輝かしいものであるが、誤った業績への授与、あるいは人種差別なども行われていることから負の側面も少なからず存在している。(ノーベル賞−wikipedia


この様なことからも日本人の3人もの受賞が結果的に無理だったのは、暗黙のうちに示唆されることでしょう。

さらに先日ブロガーfinalvent氏がtweetで指摘していたのですが、現在のノーベル賞がいわゆる文化勲章化していることもあります。将来のある若手研究者もしくは若手活動家には授与されず、期さずして授与されるのはどの人物も若い頃の研究が認められた老年の博士か活動家です。まさにこれは日本でいうところの文化勲章化です。

若い頃の研究が今になって実を結んだということもあるでしょうが、どうも結果的には老年の研究者がノーベル賞を授与されたことで研究者として上がりのような、本当に名誉だけの賞になっているのではないかと思うのです。

そこで今回の劉暁波氏です。今回ノーベル賞が劉氏に授与されることになれば、それこそノーベル賞の本来の意義であり、ノーベルの遺言の通り“人類のために最大たる貢献をした人々”に贈られるものとして、様々な指摘を払拭できる一助になると思うのです。

中国はここで紹介するに及ばず国内外における人権蹂躙は知られています。さらに先日の漁船衝突事件における中国の覇権主義は日本のみならず中国に隣接する周辺諸国をも警戒させる結果となっています。

中国では未だにモンゴル自治区や新疆ウイグル自治区での人権蹂躙また民族浄化が行われています。だからこそノーベル賞という権威ある賞において、平和賞を劉氏が受賞することは世界共通の意思として、中国の民主化の一助として必要ではないかと思います。ノーベル賞の文化勲章化それに形骸化した賞にならないためにも今回のノーベル賞には注目されます。

追記
その後ノーベル平和賞は無事に劉暁波氏に授与されました。
以下はニュースサイトからの引用です。

msn産経ニュース:ノーベル平和賞に劉暁波氏 投獄中の中国民主活動家
ノルウェーのノーベル賞委員会は8日、中国共産党の一党独裁体制の廃止などを求めた「08憲章」の起草者で、中国で服役中の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏(54)に2010年のノーベル平和賞を授与すると発表した。中国の民主活動家の受賞は初めてで、中国政府が激しく反発するのは必至だ。


産経ニュースも指摘していますが、これによって中国政府がノルウェーに反発することは必須かもしれません。ですが、中国による人権抑圧や外圧が東アジア以外に波及するとすれば、同時に国際社会での中国政府の信頼度に疑問符がさらにつくことは必死だと思われます。
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posted by hermit at 09:14 | Comment(0) | リンク集その他
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