2010年04月16日

グーグルのグリーン戦略@荒井宏征

R+様から献本していただきました。本書は検索エンジン大手Googleの環境に関する社会貢献について紹介する内容です。GoogleはRE<C(Renewable Energy cheaper than Coal)という環境対策プロジェクトGoogle.org (Wikipediaでの解説)を立ち上げ、Googleの様々なサービスはもとより自社での電力消費やCO²排出削減に対する取り組みを行っています。

これはCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)に伴う米オバマ政権の再生可能エネルギーへの1500億ドルの投資や公共施設の省エネ化による数百万人規模の雇用の創出を目指すグリーンニューディール政策の一環としての取り組みなのですが、本書の大部分はGoogle.orgスマートグリッドやGoogle企業ブログを日本向けに訳し、また海外の著名なブログの翻訳紹介そして日本での取り組みを紹介しています。

現在この取り組みは欧米各国やGoogle各支社が主となっていますが、Googleの狙いは将来期待されるCO²排出権取引市場や社会貢献を通して行われる途上国への投資によって、将来のGoogle市場規模の拡大を目指しているのかと思います。さらに本書によれば、やがてはほとんどのエネルギーコストを自社で賄い、省エネとリサイクルによってエネルギーを循環させるかたちで大幅なコスト削減を目指すといいます。

驚くべきは本書で紹介されている通り、検索1回に対するサーバーの消費電力の削減などのIT分野での省エネ、さらには、自社でのエコカーや太陽光発電また、今や自社で発電施設建設への取り組みなど、すでに具体的な取り組みが行われていることです。またそれが単に社会貢献としての取り組みのみならず、Google自社の経済的な成長につながるプロジェクトであることです。

日本でもエコカーやエコ家電また原子力技術など、世界的な競争力を持つ環境技術がありますが、Googleの場合、すでにそれがIT分野はもとより欧米諸国に対して影響を及ぼしはじめていることです。環境技術が次世代の新たな市場になりうるということは前述しましたが、Googleはすでに世界に先んじて環境技術を世界戦略として経済活動に組み入れています。

本書でのGoogleの環境に対する提言は、エコや省エネが全く経済活動と企業経営に矛盾しないことを意味することにおいて、なるほど日本にとっても大いに見習わなければならないことが多大にありそうです。

グーグルのグリーン戦略=グリーン・ニューディールからスマートグリッドまで=
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月刊「環境ビジネス」2009年10月号


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2009年10月01日

はてなブックマークで情報アンテナが10倍広がる本

このシリーズは数冊読んだのですが、ほとんどがさわりの部分しか紹介されてありません。本書にしてもアカウント登録方法などや便利なサービスをいくつかという感じです。僕もはてなブックマークは便利なので時々見てますが、はてなの空間というのはだいぶスキルの高い人たちがたくさんいるので、プログラムを自分で組める人などがいいのではないかと思います。ですが確かにはてなアンテナやはてなRSSは便利です。

あと感じたのははてなのヘルプは一種独特なので自分で試行錯誤しなければならないような印象を受けました。はてなのブログやブックマークはSEO的には良かったりしますし、使いようによってはこんな良いサービスもないかもしれません。ただ思うのは、はてなはユーザーを選ぶサービスかなとも思います。

ですが、そういうスキルがない人でも楽しめる。サービスもたくさんありますので、興味のある方などは一度見て読んで決めてみてもいいかなと思います。

本書以外にもはてな関連本はたくさんありますし、有料サービスを使えばもっと便利な機能がついてくるようなので、そういうのが好きな人にはおススメですよ。

できるポケット+ はてなブックマークで情報アンテナが10倍広がる本
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2009年01月01日

グーグル八分とは何か

《著  者》  吉本敏洋 著          

《出 版 社》  九天社 (ISBN:4-86167-146-9)

      《価  格》  900円(税込)

      《著者紹介》
 
       よしもと・としひろ

       福岡県生まれの34歳。
       筑波大学自然学類(物理学専攻)を卒業。
       本業はコンピュータプログラマ。
       ウェブサイトの運営や消費者問題に関する
       活動は趣味の範囲で行っている。
       
       悪徳商法?マニアックス

       
  《目  次》

  第1章 グーグルの歴史とグーグル八分
        がんばれグーグル、お前がナンバーワンだ!
        悪徳商法?マニアックス」のグーグル八分

  第2章 グロービートジャパンに関するグーグル八分
        グロービートジャパンとは
        なぜ裁判になったのか―名誉毀損の現状

  第3章 様々なグーグル八分
        大東建託に関するグーグル八分
        アラキ工務店に関するグーグル八分

  第4章 グーグル八分と表現の自由
        「表現の自由」の旗手、山口貴士弁護士に聞く
        「グーグル八分の問題点」

        「グーグルは圧力に対抗する気概を持て」
         図書館の歴史に学ぶ、規制との闘い方)

  第5章 グーグルは何を目指すのか
        グーグルが決めるネットの秩序
  
  付 録 グーグル八分に関するQ&A

グーグルは、シェアは世界一でも一私企業です。
 しかし、ここまで巨大な企業ともなると公益性はもちろんあると思います。


 しかし、今回紹介するようなグーグル八分は私企業としての
 グーグルの意思に任せられています。


 ここでグーグル八分を本書から説明すると、

 「グーグル八分(Google八分)とは、
  公正中立と思われているGoogleの検索結果から、
  特定のホームページが意図的に削除されていることをいいます。


  削除は、企業や政治家などの「社会権力」からの要請に従い、
  Googleが一方的に行うものです。


  グーグル八分とは、Google(グーグル)で本来なら
  上位に表示されるはずのウェブサイトが、
  検閲などにより検索の対象から外れるよう操作され、
  検索の結果に表示されない状態をいう。
  村八分になぞらえて呼ぶ言葉である」
  

 以上のようなことを言うのですが、
 世界的にはフィルタリングと呼ばれているそうで、
 日本ではほとんど議論されていないのだそうです。


 確かに違法性のあるサイトなども検索から削除されているのですが、
 本書で具体的に紹介されているのは明らかに公益性を損なう恐れのある
 サイトばかりです。


 著者のサイトは「悪徳マニアックス」という、
 悪徳商法に関する情報を収集、提供しているものですが、
 このサイトで警告されていた某企業の申請によって突然、
 「悪徳マニアックス」はグーグル八分になっており、
 他にもスパムメール業者を告発するサイトなども
 同様の憂き目にあっているといいます。
 これらのサイトは常に検索上位に表示され、
 公益性もあるサイトだったそうです。


 グーグルもこれらフィルタリングの事実を認めているといいますが、
 どのサイトがどのような理由でこのような事態になってしまったのかは
 公表されていません。


 しかし、一つ確かに言えることは、グーグルは私企業なのだから、
 企業利益に反すること、もしくは株主の利益にならないことはしない
 ということです。


 企業利益をいうなれば、
 グーグル自身の訴訟対策といってもいいかもしれません。


 公益性があったとしても、
 それが(株主)企業の信頼や名誉を毀損する恐れがあるもので、
 実際にその企業から申請があった場合、
 グーグルの倫理規定に照らし合わせて削除する。
 そういうことではないでしょうか。


 これはネットの世界のみならず、
 リアル世界においても現実に行われてきました。
 大企業が圧力をかけるとか、戦前、戦中なら
 言論統制を行うことなど・・・・。


 しかし、グーグルは地球規模であらゆる情報、
 そしてあらゆる知識を統合し、
 一つの集合知を作ろうとしていると聞きます。


 そんな中では、一個人のホームページやブログなど
 取るに足らないものかもしれません。
 しかし、インターネットというツールは、
 大企業のような資金も、テレビや新聞のような発言力も、
 ましてや地位も権威ない一個人が唯一情報を発信できるツールなのです。


 ネットというものは一個人が世界に情報を発信することで、
 個人であっても企業や政府という巨大な権力に対抗することができます。


 それは双方の利益になり、またその情報をみた第3者にも
 知る機会を与える貴重なことです。


 しかし、グーグル八分の一部にはこうした公益性のあるサイトも
 含まれています。


 この問題を、メディアの偏向報道や
 テレビ局から干される芸能人などと混同してはいけません。


 これはグーグルという最早ネットの未来を左右するかもしれないような
 企業が行うことなのです。


 未来についてもう少し言うならば、
 グーグルもそうだしヤフーなどの他の検索エンジンについても、
 これから問題になってくるでしょう。


 グーグル八分という言い方が良いか悪いか分かりませんが、
 現実に犯罪系やポルノ系のサイトもグーグルでは除外しています。
 これは八分というより、むしろ良心的だとも思えます。


 つまりは、グーグル自身がディスクロージャー(情報開示)し、
 基準を明らかにすることと、グーグル八分を受けた理由と
 現状復帰の方法だけでも説明するべきです。


 これらの事態の根源にあるのは、情報開示の問題と
 あまりにも“一方的”であるということです。


 それに、検索によるフィルタリングについても、
 これから日本で大いに議論がなされるべきであると思います。

グーグル八分とは何か
グーグル八分とは何か
吉本 敏洋

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グーグル・アマゾン化する社会 (光文社新書)
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2008年12月04日

グーグル・アマゾン化する社会

      《著者紹介》

       1968年東京都生まれ。ジャーナリスト。
       早稲田大学法学部卒業。大学在学中よりライター活動を
       はじめ、科学技術、経済、教育分野を中心に執筆。

    《目  次》
       
  第1章 多様化が引き起こす一極集中現象
       ―巨大な一極とフラット化した世界

  第2章 Web2.0の世界
       ―「ユーザー参加型」「膨大なデータベース」

  第3章 Amazon
       ―参加のアーキテクチャー

  第4章 Google
       ―半強制的な参加のアーキテクチャー
 
  第5章 スケールフリー・ネットワーク
       ―金持ちほどますます金持ちになる理由

  第6章 個人への一極集中
       ―タグとパーソナライゼーション

  第7章 「民主主義」によってつくられる“主体性ある思考”

      〈内容と感想〉
  
  現在のグーグルとアマゾンの1人勝ち状態と、
  これらの2大サイトがなぜ現在のような隆盛を極めるに至ったか、
  後半ではロングテールやオープンソースそして、
  現在のブログにおける一極集中になりつつある世論などを踏まえて
  ウェブの未来と矛盾について解説しています。


  「ウェブ進化論(梅田望)」ではこれから起こる
  インターネットの可能性とか輝かしい未来といったものを
  好感を持って紹介していましたが、
  今回はこれらを踏まえた上でネットが抱える不安というか、
  負の部分も示唆されていています。


  前半のグーグルとアマゾンにおける徹底した顧客中心主義や
  ユーザー至上主義、グーグルで言えば今まで既存の企業が
  有料で行っていた数々のコンテンツの無料化や
  アマゾンにおける商品とお客とを
  独自の双方向コミュニティで結びつけたサービス、
  またアソシエイト・プログラムを考案して
  ロングテールと呼ばれる売れ筋以外の無数の商品を売り上げた
  先見性は知ってはいても、あらためて解説されると、
  時代を切り開いたネットの先駆者としての成功談は、
  聞いていて心躍るような気すらしてきます。


  しかし著者は同時にこれらの超大手企業が市場を独占することで、
  多くの新規参入や可能性が阻まれていることを指摘し、
  検索において起こっていることと言えば、コンテンツの充実よりも、
  検索順位を上位に上げるために検索エンジン最適化(SEO)など
  あらゆる方法を使ったり、あるいは不正をしてでも順位を上げようとする
  矛盾が起こっているといいます。


  また検索技術の向上を目指し、今までのキーワード検索から
  意味を含んだ文章へ、新たに的確な検索結果を導き出す新技術などの
  模索などもされていますが、
  これに対してもグーグルは依然として見られる、
  検索順位上昇の不正工作などを理由に否定的なのだそうです。


  ビル・ゲイツをはじめとする最先端気起業のトップたちが一様にして言う
  インターネットの未来像は、ユーザーひとりひとりが求める情報を
  ウェブコンテンツがエージェント(代理人)またはデジタル執事のように
  思うがままに得られるようなサービスが必要であろうと
  発言しているといいますが、これについても著者はユーザーが
  自分だけの求める情報だけに接していれば、
  ユーザーが今まで触れることが無かった情報や
  新たな情報を知る喜びが失われ、
  ひいては偏った情報ばかりしか得られないのではないかと指摘しています。


  これは現在のブログなどでの世論形成にも似たところがあって、
  SNS以外のブログでは匿名で自分の思想信条を発信し、
  それが選挙に影響を与えたり、
  特定の主義主張を持つ若者が増えてきている一極集中の現状が現れており、
  ブログが双方向なメディアとはいっても、そういった記事のコメント欄では
  一方の主張だけの賛成意見が寄せられるばかりで、
  反対意見を持つユーザーは積極的に反論を寄せるような行動は起こさず
  結局は偏った意見ばかりになり、
  やがてその一部は過激な行動に走るなどの温床になるといったことが、
  極端かもしれませんが戦中の日本などを例にとって解説されています。


  世界的に見れば、現在も飛躍的な形でウェブは進化を続けています。
  こうした様々な輝かしい可能性が見える一方で、
  様々な矛盾や負の部分も見え隠れします。
  こういった清濁あわせ持ったものが、
  現在のウェブの現状なのだと思います。
  便利になることは良いことだけど、
  考え方によっては不便なものになるかもしないかもしれません。
  欲しい情報をどうやってうまく取り入れるかも大切ですが、
  その情報がどこまで公平で信頼できるものなのか、
  それを見極められる能力がこれからは問われてくるのかもしれません。


  またここで紹介したグーグルやアマゾンを使うユーザーにしても、
  便利に使っているように見えて、
  その内実は自分もこれらのサイトの情報源としてリサーチされ、
  検索上位になるために血眼になっている人々を見ると
  逆にグーグルの思惑に乗せられているようにも見えてしまします。


  たしかに便利にはなりましたが、
  本筋を見失っては本末転倒なのだろうと思います。
グーグル・アマゾン化する社会 (光文社新書)
グーグル・アマゾン化する社会 (光文社新書)
森 健

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グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
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2008年12月02日

(本)頭のいい人のブログ悪い人のブログ

      《著者紹介》

       1963年、神奈川県生まれ。日本工学院専門学校卒。
       株式会社天野プランニングプロダクション社長。
       ネットの世界で各種サイトを運営し、1日6万
       アクセス広告収入月150万円を達成。そのノウハウを
       活用して、出版の世界に進出する。
    
    《目  次》
       
       第1章 ブログを始めてみよう!
       第2章 いろんな人に見てもらうために
       第3章 自分も読者も楽しくならなきゃ!
       第4章 盛り上がるブログを作るには 
       第5章 最大のピンチ、ネタ切れは、こう克服する!
       第6章 お小遣い稼ぎにもチャレンジ!!

      〈内容と感想〉

  ブログビギナーの僕は興味深く読みました。
  タイトルからして頭のいい人のブログ 悪い人のブログ ですから、
  著者が気に入らないブログをこき下ろすといった内容かな〜っと
  思ったんですが、そんなことは無く、
  ただブログにおいての考え方ややっちゃいけないことを
  頭の悪い人って言い方で解説した本なんです。

  例えばどんなネタを用意してどんな内容の文章を書くのかとか、
  コメントやトラックバックによって、どんなふうに他のブロガーさんと
  交流したら良いかなど、実例を紹介しながら
  初心者にも分かりやすく解説しています。

  ブログのマナーとコミュニケーションに
  力点が置かれているので、アフェリエイトとか(少しだけ解説)
  SEOなんかはほとんど触れられていません。

  僕のような初心者には、その心構えや
  やってはいけないことなど参考になりました。

  ある青年が、女の子にもてたい一心で
  ブログをはじめていくって形式なので、
  読みやすくざっと2時間程度で読めました。

頭のいい人のブログ 悪い人のブログ
頭のいい人のブログ 悪い人のブログ
天野 優志

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ウェブログのアイデア!―プロのライター&編集者が教える、ネタの集め方・読ませ方・見せ方のテクニック
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2008年11月30日

グーグルGoogle 既存のビジネスを破壊する

      《著者紹介》

       1961年生まれ。早稲田大学政経学部を中退し、
       1988年、毎日新聞に入社。警視庁担当などを経て
       フリー。IT企業関連の取材を精力的に続け、
       著書は多数。

    《目  次》
       
       第1章 世界を震撼させた「破壊戦略」
       第2章 小さな駐車場の「サーチエコノミー」
       第3章 一本の針を探す「キーワード広告」
       第4章 メッキ工場が見つけた「ロングテール」
       第5章 最大の価値基準となる「アテンション」
       第6章 ネット社会に出現した「巨大な権力」

      〈内容と感想〉
  
  前回の「グーグル・アマゾン化する社会」では
  ネット社会がグーグルとアマゾンによって支配されてることによる
  一極集中化について解説していましたが、
  今回紹介する本ではグーグルについて
  もっと掘り下げた内容になってます。


  この本のサブタイトルともなっている
  既存のビジネスを破壊するとは、
  グーグルが検索サイトとして以上に、
  世界有数の広告代理店として成功し、
  その戦略が既存のビジネスで有料だったものを無料で開放し、
  あらゆる知的財産を一つの検索エンジンで
  いつでも得られるようにしたために、
  ネット関連企業やリアル社会のあらゆる企業が影響を受け、
  今までトップに君臨していた多くの企業は
  そのビジネス戦略が根底から破壊されるという
  意味を示したものです。


  このグーグルの戦略を端的に表す例を
  著者は冒頭からいくつか紹介しています。


  1つめはグーグルニュースの、
  独自のアルゴリズムによる
  世界中のありとあらゆるニュースの掲載です。
  このグーグルニュースによって、
  ある1つの事柄の記事についても
  肯定派と否定派が等しく掲載されます。
  そして新聞社の大小に関わらず独自の計算式によって
  重要度が計られるため、無名の新聞記事でも
  アルゴリズムが重要だと判定すれば
  大新聞のニュースと同等に扱われるといいます。


  これは紹介される新聞社の編集方針や
  ニュースサイトでの広告収入の面で不利益を被ると
  批判があったものの、グーグル八分を恐れた
  これら大新聞社は受け入れざるを得なかったということです。
  驚いたのは日本では読売、産経をはじめとする
  いくつかの新聞社がグーグルニュースへの
  記事提供を拒否しているということです。
  これには外国のグーグルニュースに批判的な
  新聞社すら驚いているといいます。


  さらにグーグルマップでは世界中の詳細な衛星写真が
  使われていることから世界各国の軍事施設や原子力施設が
  鮮明に映し出されるため、各国から批判が続出しているといいます、
  これについてアメリカ政府はグーグルを黙認し
  グーグルも除外には否定的でいまだに、
  映像はそのままになっているにも関わらず、
  アメリカの軍事施設だけが画面から消えているという
  事実があるといいます、これについてもグーグルは沈黙しています。


  またグーグルは全米にケーブルを設置し
  全土を無料でブロードバンド化する計画もあるようで、
  これについてもグーグルは独自の広告によって収益を得ることで
  全てをまかなう計画なのですが、
  この計画1つだけでも多大な企業に影響を及ぼします。


  他にもグーグルPCというグーグルのコンテンツを搭載したパソコンを
  発展途上国の子供たちに与えることによって、
  将来的なグーグル市場の拡大を目指したり、
  中国においては反政府的なページを検索から除外し、
  中国政府に迎合することによって、
  巨大な中国市場を手中に治めようとしています。


  これら大企業には大きな打撃をあたえるかもしれない
  グーグルのサービスも、
  大企業とは明らかに規模も収益も比べ物にならないほどの
  小規模企業や企業とまでは言えないまでも、
  個人や少人数で会社を営む経営者のような人たちには
  希望をもたらしました。


  この本ではキーワード広告やアドセンスを利用することによって、
  今まで日の目を見ることがなかった会社や企業が
  それまでの何倍もの収益をあげている事実も紹介されています。


  このようなロングテールの最たる事実も
  グーグルの目指す知の秩序化は、
  ネット世界およびリアル世界まで検索という名のもとに
  支配下に治めるのではないかと著者は危惧します。


  しかしアメリカでは、このようなグーグルの数々の無料サービスと
  キーワード広告の1人勝ち状態に対抗すべく、
  マイクロソフトやヤフーといった企業も、
  独自の検索エンジンの開発や無料サービスを始めるなどの
  手段を講じているといいます。
  しかしこれらの企業がやがてグーグルに勝ったとしても、
  その企業が次のグーグルのごとく市場を独占するだけであって、
  グーグルがこれから行おうとしていることや、
  グーグルが作ったネットのあり方は変わらないだろうとしています。


  また著者はグーグルが検索エンジンを通して
  ネットの秩序を支配している事実を実例をもって指摘します。


  これはグーグルが独自の方針によって、
  検索から外されたサイトはもはや存在しないことと同様なことが起こり、
  検索へ復帰しないかぎり誰にも見てもらえないなど、
  ネットでは「グーグル八分」と呼ばれているそうです。


  同様にアドセンス広告によって収入を得ていたブログが、
  アドセンス荒らしによって不正を行われたことから、
  グーグルの一方的な通告によりアカウントを
  剥奪されてしまう例もあります。


  これら生かすも殺すもグーグルの思いのまま行われる現状とは裏腹に、
  その便利なサービスは世界中の多くの人々を魅了します。
  このような現状を著者はグーグルがあたかもネットあるいは
  世界という宗教の司祭なのではないかと指摘します。


  ユーザーがグーグル検索を使えば使うほどグーグルは儲け、
  同時にユーザーはどんどん依存してしまう。
  気づいたときにはユーザーはグーグルなしではいられず、
  グーグルはユーザーを手のひらでもて遊ぶがごとくに、
  ユーザーを生かすも殺すもその一挙手一投足によって
  簡単に決められる事態になっているのです。


  確かに本書は「ウェブ進化論」で言うところの
  知の再構成とか独善的なネットの支配を危惧するもので、
  僕もグーグル八分は恐ろしいと思うこともありますが、
  これは一般のユーザーにはどうしようもないことだと思うし、
  もしこのようなグーグル八分が表面化して問題となれば
  グーグルも何らかの対応をするしかなく、
  こればっかりは悲観してもしょうがない面もあり、
  ある程度待つ必要があると思います。


  それにグーグルの徹底したユーザー本位のサービスや、
  ページランクなどによる、
  不正なサイトや非合法なサイトを抑制する手段も評価できると思うし、
  これからもっとネットが進化していけば、
  あらたな考え方が出てくるかもしれません。
  何より日本ではそうでもないかもしれませんが、
  世界ではグーグルが一番支持されているわけだから、
  そんなに世界中のユーザーが愚かだとは思えないのも事実です。


  結局これだけ大規模になれば、不都合なことは出てくるのは当然だし、
  悲観するよりこれら新しいネットの進化を好感を持って
  見守り続けるしかないのかもしれません。

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501)
グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
佐々木 俊尚

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2008年11月20日

ネット被害対策室 ウィルスからネット詐欺まで

      《ジャンル》  コンピュータ・インターネット                         

      《著  者》  ダルク 

      《出 版 社》  技術評論社 (ISBN:4-7741-2198-3)

      《価  格》  1,554円(税込)

〈読んで考えたこと〉

ネットにおけるあらゆるトラブルの相談を
自身のHPやメルマガで受け、
その対策と解決法を一般的な法律論を交えながら
紹介したものをまとめた本です。

表紙はいささか軽い感じのイラストですが、
中身はいたって”堅い“本です。

ネットでストーカーや名誉毀損をされたとか、
オークションで詐欺にあった、
しつこいスパムメールが届いてしまうといったものまで、
ありとあらゆるトラブルの相談が寄せられています。

インターネットでのコミュニケーションは結局、
顔の見えない相手との関わり合いですから、
自己責任で行うものだと思いますが、
深刻な被害だとやっぱり個人では
どうしようもありません。

深刻な場合、ダルクさんの言うように
警察や弁護士、消費者センターなどを
活用するしかないと思います。

僕はこういったトラブルは今までありませんが、
読むだけで現在のネットが抱える問題、
そしてこういったトラブルに対する
心構えとして読めました。

ネット被害対策室―ウィルスからネット詐欺まで
ネット被害対策室―ウィルスからネット詐欺まで
ダルク

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