2010年12月19日

【雑誌】歴史魂〈REKIDAMA〉

R+様より献本していただきました。

歴史魂とは表紙を見てもらえば解かるとおりに
いわゆる歴史萌えな方たちを対象とした雑誌です。
電撃シリーズでおなじみのメディアワークスさんが
創刊しているだけあって、萌え具合は折り紙つきです。

今回は創刊号というだけあって相当力が入った内容となっています。
まず付録がすごい!『血風!桶狭間』と題して銀河万丈さんが、
信長役をしていらっしゃるドラマCDが付いてきます。
さらに80ページにも及ぶ別冊コミックも付いて
なんと680円!!いやあ大丈夫なのでしょうか。

さて今回は最新歴史ゲーム情報や
何より特集もかなり気合が入っています。
ひとつは関が原でもし豊臣方が勝っていたらという
意欲的な内容でかなり具体的な仮説やイラストも豊富に
興味をそそられる内容です。

もうひとつが、戦国の姫君たちのイラスト特集ならびに
永田ガラ氏の書く「信長の茶会」です。
イラスト特集はあまりにちょっと予想以上に大胆なカットで、
あちら系が好きな方には垂涎のものですよ。

今回は献本とはいえアニメ好き&歴史好きの私には
もったいないほどに楽しませていただきました。

このジャンルが好きな方には損の無い内容かもしれませんよ。

歴史魂1 2011年 01月号 [雑誌]
歴史魂1 2011年 01月号 [雑誌]

関連商品
戦国無双3 Z(プレミアムBOX:秘伝攻略法/キャラクター設定画集、サウンドトラックCD、卓上カレンダー同梱)
歴史群像別冊 歴史群像スペシャル No.8 2011年 01月号 [雑誌]
戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~ 四 [DVD]
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ミニブシカレンダー2011(卓上)
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2010年01月20日

【次のITライフ】COURRiER Japon(2010.02)

講談社様R+様献本ありがとうございます。今月号のCOURRiER Japonの特集は「次の、ITライフ。」(p22〜)と題してgoogleやMicrosoftからtwitterまで、先進ネット企業の動向や新たなITベンチャーを通して、大胆に5年後のITが我々をどのように変えるかCOURRiER Japon独自の切り口で予測しています。それはただ単に便利なwebサービスとしてだけではなく、新たなビジネスモデルとして、また既存メディアに対する革新的なメディアの台頭として、各サービスが取り上げられている点です。ざっとご紹介すると、以下の通り。

HUlU
テレビ局の枠を横断して
800種類以上あるテレビ番組に190以上の
コンテンツプロバイダーを通してアクセスできます。
また表示される広告(CM)もユーザーが選ぶことができます。


Pandora
ユーザーの音楽的嗜好を割り出して
ユーザーの好みの曲を提供する。


OnLive
サイトにアクセスするだけで
ストリーミングされた高品質なゲームが楽しめる。
ゲームの販売コストや製造・流通コストを大幅にカットでき
ゲーム業界の大変革の始まりとされています。
またこのサイトのデータ圧縮技術は他のメディアにも
影響を与えるといわれています。

HOT or NOT
表示された人物を採点するというシンプルなサイト。
作者のジェームズ・ホンとジム・ヤングは42人の知人に
このサイトを知らせたところ、1日目で3万7千人がアクセスし、
2ヵ月後には700万pvのアクセスを記録しました。
Twitterと同じくバイラル・ループで成功した事例です。
同じく米オバマ大統領もこの手法で成功した一人だと
いわれています。


Google Insights for Search
複数のワードで検索でき今までより正確な
検索結果を導きだせます。また検索結果より
「検索ツールの表示」でワンダーホイールを
表示すれば、検索ワードをに関連したさまざまな
用語が青い線で結ばれて表示されるというものもあります。


またMicrosoftにおけるWindows7とビングの成功、そしてipodやiphonで携帯電話市場を拡大しているappleにおけるスティーブ・ジョブズの健康不安問題など、またgoogleクロームやアンドロイド携帯によって、これら市場の勢力地図はどう変わるかを海外メディアの動向を通して伝えています。

そして続いてCOURRiER Japonの特集は、『「注目されなかった」10大ニュース』(p74〜)と題して、日本ではそれほど取り上げられなかったものの、今後の世界情勢を左右する重要な昨年の10のニュースを取り上げています。順にあげていくと

「地球温暖化で南極海航路が開通」
このニュースは温暖化の影響をダイレクトに伝える出来事として紹介されています。
温暖化に関連しては、山形浩生氏の今号のコラムにあるCO²の削減よりもHFCという名前の二酸化炭素の1440倍もの地球温暖化能力をもつ工業用気体、またディーゼルエンジンや途上国で牛のフンを使ったストーブから排出される黒色炭素など、CO²よりも温暖化能力があり、大きな削減が可能なものからの削減する必要があるとの指摘もあります。

イラクで新たな民族紛争の兆し
現在、世界におけるイラク情勢の懸案は、イラク国内のアラブ系住民とクルド系住民との対立だといいます。これはイラクの北部クルド人自治区の国境の南に位置するニーナワー州での政治勢力地図がクルド系政党からアラブ・ナショナリズム政党に変わったことによるそうです。アメリカ政府は2010年8月までにアメリカ軍の戦闘部隊9万人を撤退させ、イラク軍の育成のために残留する5万人は2011年12月までに全軍撤退を完了させると表明しています。そんななかでのこのニュースは、世界中に大きく取り上げられました。

インド・中国間にホットラインが開設
インドと中国はヒマラヤのタワン地区をめぐって争いを続けており、2000名以上が死亡しています。このニュースはホットラインの開設が意味するところの、両国間の緊張が著しく高まっていることの表れだとしています。

不動産価格上昇で住宅バブル再燃か?
本誌によると米国の住宅価格は昨年4月に前月比で過去最高の下落率を記録した後、5月から上昇に転じています。S&Pケース・シラー住宅指数では5〜7月に3.4%も上昇しています。この数値の公表とともに「住宅市場は底入れした」と見るエコノミストもいます。昨今世界を覆っている大不況をもたらした、無責任な投機行動が再現されるリスクが生じています。

失速する「文民増派」戦略
アメリカ政府はアフガニスタンに対して文民の増派を決定していますが、そのためにアフガニスタンに派遣できる軍人300名を揃えるようにゲーツ国防長官に要請しましたが、肝心の専門家が足りず、軍隊の増派に匹敵する「文民増派」は実現からほど遠く、オバマ政権は昨年末、アフガニスタンへの3万人規模の米軍増派を発表しました。アフガニスタンへの「出口戦略」は成功するのでしょうか。

中国海軍がブラジルとの関係を強化
中国の軍事力強化については正論一月号(当ブログ)でもお伝えしましたが、中国梁光列国務委員兼国防相は大型空母建造に乗り出す計画を認めましたが、中国海軍は空母運用の経験は皆無に等しく、兵士の練度を高めることが急務になっています。しかし、現在空母を持つ国はアメリカ・フランス・ロシア・ブラジルのみですが、ブラジル以外の国はいずれも中国に協力はできないといいます。そこで中国が頼れるのはブラジルだけということになり、ブラジル政府も空母サン・パウロ号で中国海軍に教練を与えることを明らかにしています。それに対して中国はその老朽化したサン・パウロ号の修復費を援助するという内容になっているといわれます。両国の協力はこれまでアメリカが圧倒的な制海権を有してきた東アジアのパワーバランスに影響を与えるのではないかとしています。

最新技術でも撲滅できない不正パスポート
現在70カ国以上が生体認証パスポートを採用していますが、これが初歩的な偽造の知識を持ってさえいれば、死んだ社会保障番号などによってこの非常に安全度の高いとされるパスポートを虚偽の申請によって手に入れることも、さほど難しいことではないといいます。その背景には官僚主義に問題があり、そこに問題があれば一国の安全保障は確保できないとしています。

活動家暗殺に「チェチェン大統領関与」の声
昨年7月チェチェン共和国の人権活動家ナタリア・エステミロワが殺害されたというニュースが世界を駆け巡りました。この事件の黒幕として、疑惑の目はチェチェンの独裁的大統領でロシア政府との関係が深い、ラムザン・カディロフに向けられました。それはカディロフの批判者や元側近またレジスタンスが類似の方法で殺害されるという前例があったためだとしています。現地はカディロフ政権によって紛争は沈静化していますが、隣国イングーシ共和国大統領が暗殺未遂されるなど、現在でもイスラム原理主義者による反乱の火種は残っています。

米国がウガンダ政府軍の支援を開始
昨年1月米軍がウガンダ軍に資金供与し、武装反乱勢力「神の抵抗軍(LRA)」をコンゴ東部で攻撃する作戦を支援したところ、LRAの指導者には逃げられ、報復措置として約900人の民間人を殺害されるという暴挙につながりました。これはアメリカが新たな紛争に介入し、それに引きずり込まれる予兆ではないかとしています。

10米国で進行中の“新世代スパイ育成計画”
CIAをはじめとする米国の諜報機関は昨年「米国に移住してきた第一世代もしくは第二世代の米国人で、すでに必要な語学能力や文化的知識を持つ人材」を探し出し、「彼らを諜報機関のエージェントに育成する」ことを目標に掲げました。現在CIAでは第二言語を話すCIA職員はわずか13%にとどまり、CIA長官レオン・パネッタは全職員がそうなるようにしたいと語っているといいます。

今号のCOURRiER Japonは、今年最初の号にふさわしITはもとより世界の今後の動向を示唆する意欲的な内容で、続いている「世界が見た『Nippon』」(p80〜)も独自のセレクトで世界の記事が紹介されています。今号で紹介された今年の世界の動向には注目が必要です。

クーリエ・ジャポン公式サイト

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2009年12月19日

COURRiER Japon(2010.01)

レビュープラス(R+)様、献本ありがとうございます。まず最初はポール・クルーグマンのアメリカ経済に関するオピニオンで始まります。クルーグマン氏は現在のアメリカ政府の経済対策を「景気がよければ、雇用は増える」とするGDP政策の欠点を指摘しつつ、学ぶべきはドイツだとしています。そこで今回の特集は「BERLIN 1989-2009 世界一刺激的な首都 新世紀ベルリン―壁とアートと接吻―」と題して脳科学者茂木健一郎さんがベルリン取材を行い、今や最も刺激的な都市といわれるベルリンに焦点を当てています。再度クルーグマン氏に戻ると、曰く「世界の貿易量が減少したのを受け、GDPは急落。だが、大量の失業者が出るのを見事に回避した」というのだ。ベルリンの壁崩壊後、幾多の混乱はあったが、今やその混乱がアーティストや若者たちを惹きつけているというのです。印象的なのは表紙となっているベルリンの壁に描かれたホーネッカーとブレジネフのキスシーンを描いた「神様、この致命的な愛から生き残れますように」という作品です。このようなアーティストたちの姿が世界の各紙で紹介されている様子は、発展を続けるドイツの熱気というかエネルギーを感じさせます。しかし、統一後のドイツではそれだけにその反対もまたあります。東西の格差、そして台頭する反ユダヤ主義、また東ドイツの共産党政権が行ってきた数々の負の遺産。本誌ではかつてオリンピックの金メダリストたちのドーピングによる後遺症また、統一後バッシングにさらされる元選手たちの様子が紹介されています。

次の特集は「ファッション業界の大いなる誤算」と題してクリスチャン・ラクロワの経営破綻とヴェルサーチの衰退を取り上げています。これら2つの高級ブランドは、昨今のファストファッションの隆盛や不況のあおりをうけ、クリスチャン・ラクロワは破綻、そしてヴェルサーチは日本撤退をはじめ経営難に陥っているといいます。アーティストとしてのクリスチャン・ラクロワとドナテッラ・ヴェルサーチは、今や自分の名を冠するブランドすら失うかもしれないほど危機的状況だといいます。さらに2人に共通するのは、経営との両立が難しいこと。デザイナーとしてアーティストとして安売りできない自負心が、それを阻みまた安売りしたとしてもそれが必ずしも上手くいかない現実が紹介されています。

そして、これはと思う読ませる記事を紹介します一つ目はNYタイムズ記者の“タリバン拘束記”「私は、本当のアフガンを知らなかった」の記事。この記事はこれから3回にわたって書かれるそうですが、記者はタリバンのリーダーに取材に行く途中で盗賊に拘束されるのですが、その盗賊が実は取材相手のタリバンのリーダーであったという、ある意味、どんでん返しの記事です。ですが、幸い生き残った記者がどのようなルートでまた、どのような緊張感の中で生死を彷徨い、またNYタイムズや新婚間もない妻への電話など、最初からぐいぐい読ませる内容です。

次はフランス・インターナショナル・ヘラルド・トリビューン誌の国連訓練調査研究所広島事務所上級顧問のナスリーン・アジミ氏(広島在住)執筆による「日米安保見直し」に関する記事に、興味深い文章がありましたので紹介してみます。

「米国にとってこの条約は、多くある二国間安全保障体制の一つにすぎない。だが、日本にとって、この条約は精神的に深い影響を持つ。国の威信、自尊心、沖縄に対する罪悪感など、無数の問題に関係している。日本が米国の庇護の下にある限り(歴史学者ジョン・ダワーはこの状態を『従属的独立』と呼ぶ)、日本がその経済的地位や平和的姿勢にふさわしいリーダーシップを国際舞台で発揮するのは難しい。これは唯一の被爆国としての道徳的権限があるにもかかわらず核軍縮をめぐる問題でも同様だ。(中略)

だが最も注目すべきなのは、ワシントンで聞かれる不満の声が、世界で最も古い歴史を持つ国の一つである日本と、最も若い国の一つである米国を結ぶ絆の強さを過小評価する傾向にあることだ。痛ましい戦争、広島と長崎への原爆投下、長く侮辱的な占領から立ち直り、自分たちを打ち負かしたかつての敵とこれほど確かな絆を築ける国はそうそうない。この思いを、私は広島で、この上なく強く感じる。ここでは「許そう、しかし忘れない」という精神のもと、市民が核軍縮キャンペーンを行っている。米国人に対する憎悪を耳にすることは、少なくとも公の場ではないといっていい。広島市長の秋葉忠利は2年前、広島の平和計画を推進する財団法人広島平和文化センターの理事長に米国人を任命したほどだ。

とにかく、日米関係を従属的ものだと考えるのは浅はかだ。というのも米国も、目につきにくい形で安全保障上、日本に依存しているからだ。イラクとアフガニスタンに兵をと資金を投入している米国は、欧州の同盟国より、日本の存在を必要としている。私は、共に働いてきた数百人の若いアフガニスタン人が、日本への尊敬の念を表すのを見てきた。彼らは瓦礫のなかから甦った国、グローバル化が進む世界で成功した伝統と文化の国、またそれと同じくらい重要なこととして、特定の宗教に基づいた姿勢や意図を持たない国と見ている。」

総じて今回のCOURRiER Japon誌は、表紙のホーネッカーとブレジネフのキスシーンが表紙になるなど、内容もよりインパクトが強い内容でした。また巻頭は世界のフォトグラファーの写真で2009年を振り返るという特集でしたが、2009年といえば日本の政権交代と同時に初のアフリカ系アメリカ人のオバマ大統領の就任もまた大きな出来事でした。2009年はCOURRiER Japon誌にとっても、米ルーシー財団が主催する国際写真賞「Lucie Awards」に、 本誌編集の写真集『ディス・デイ「希望の一日」』がノミネートされるなど節目であった年であったのかもしれません。来年からのCOURRiER Japon誌もこれまで同様期待したいと思います。

ディス・デイ「希望の一日」

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2009年11月19日

【創刊4周年】COURRiER Japon(2009.12)

R+(レビュープラス)様より献本いただきました。さて今回もグローバルな視点の記事が多く大変面白く参考になりました。今回の特集は「世界が見た“宇宙人的”日本」です。この特集のコンセプトのきっかけとなったのは、日本がまだまだミステリアスに世界を魅了する国として、編集長古賀義章氏のフランス在住時代の記憶がヒントになったといいます。このコンセプトをもとに、まさに世界を魅了する日本人や文化を海外からの視点で紹介しています。人物編では、まさに“宇宙人”鳩山首相からイチローそして宮崎駿まで海外で旋風を巻き起こした人物に焦点を当てています。また日本文化編では技術大国日本らしいコンテンツパワーや「思いやり」など独特の日本の美徳とされる文化が海外で評価されている模様を伝えています。また最近特に注目を浴びるポップカルチャーやオタク文化を、世界中の若者を熱狂的に魅了する“MANGA”を中東にスポットを当てて紹介しています。これらは日本ではすでに馴染みのある普通の文化ですが、それが海外ではそれまで無かった新たな価値観として取り入れられようとしていることが分かります。こうした海外の視点を通して日本を見つめ直す企画というのは、時として日本称賛記事になるところですが、本誌では外国の記者の目を通して、どこかオリエンタルな憧れの対象として紹介されており、逆にそれが読者にとって新鮮な日本の良さを再認識させてくれます。

次に紹介するのは、ポール・クルーグマン氏が特別寄稿している「経済学者たちはなぜ間違えたのか」です。その前にかつてリーマン・ブラザーズで勤務していた職員たちのその後を追った記事があります。ほとんどの人たち、特に住宅投資を手がけている部門の人々は再就職の道を絶たれ、無職あるいは細々と自営によって生活を維持しているといいます。ですがCEOリチャード・ファルドだけは、幾らかの資産を処分するはめにはなったものの、今でも避暑地の別荘もあれば毎朝のゴルフも欠かさず、新会社すら設立し、またもや金融の世界で再起を図ろうとしているといいます。しかし、職を失った大多数の元リーマン職員もそうですが、ほとんどの元リーマン職員は、政府の金融政策の失敗がリーマン破綻の原因、もしくは自分は上司に命令されただけだと口をそろえているといいます。そしてポール・クルーグマンの寄稿ですが、詳しいことは本誌を購読するのが早いですが、リスクを軽んじた金融工学と、マクロ経済に特化しケインズ主義を軽んじた結果として、今回の不況が起こったとしています。また連邦準備銀行の失策についても言及しながら、アダム・スミスの経済論から体系化しなおし今回の不況を解説しています。

個人的に取り上げたいと思った記事は、アメリカ大統領を護衛する、「最後の盾」であるシークレットサービス訓練施設を紹介したコラムです。難関の試験を通過した少数の者たちが、あたかも軍隊の特殊部隊顔負けの訓練が待ち受けるのです。まるで1冊ノンフィクションが書けそうなくらいすごい訓練内容です。訓練といっても本番そのものを再現して死ぬ覚悟も必要なくらいの過酷な訓練です。それもそのはず、大統領の盾となるということは、代わりに死ぬこともじさないのですから。流血、骨折などは当たり前、さらに模擬銃で撃たれ、有毒ガスを浴びる訓練はまさに凄まじいものがあります。この記事だけでも読む価値があります。

さらにCOURRiER Japonでは連載コラムも充実しています。特におやっと目を引いたのは、中島岳志氏のコラム「遺伝子研究で明らかになったインド人の本当の“ルーツ”」です。まずインドの間ではヒンドゥー教徒と認められるのはインド人だけだとする固定概念があるそうです。ですが、ヒンドゥー教徒は世界各地の国々にいます。それでも、インド人は自国の人間しかヒンドゥー教徒として認めないのだそうです。しかし、今回インド国民の大規模な遺伝子調査が行われた結果、インド人のルーツが分かったというのです。それはインドが遺伝子の坩堝だということ。それとインド人のルーツがヨーロッパ大陸からの移住ではなく、アフリカからヨーロッパとアジアとオセアニアに分かれたルーツの、南アジア方面の遺伝子で中央アジアのアーリア系の遺伝子との関連は少なかったといいます。またインド人の遺伝子は、アフリカに次ぐ最古の遺伝子が多く、アフリカからの移動は最初にアジア南部だったのではないかとしています。

ちなみにですが、この遺伝子のルーツ系をもっと知りたい方は以下の本がおススメです。
【当ブログ「イヴの七人の娘たち」書評】
イヴの七人の娘たち (ヴィレッジブックス N サ 1-1)

長くなりますが、もう一つ考えさせられるコラムがありました。アメリカ・タイム誌の記事「人はなぜ、ウィキペディアに書き込まなくなったのか?」です。07年3月に82万人の編集者の書き込みを記録したウィキペディアですが、以来その数を上回ることはなく、年々減っているとしています。それは常にデマや中傷によって書きかえるユーザーが増えたことと、古参の編集者と初めてや新しい編集者との間に官僚機構のような縦社会ができていることがその一つだと書かれています。ウィキペディア財団は編集者数を増やすという目標は立てていますが、実際にどんな取り組みも行っていないというか、行う術がないという現状なのだそうです。タイム誌はこれがWeb2.0の限界がきたのかとしています。これは日ごろから感じていましたが、日本でも著名人など編集合戦や編集機能を凍結されているものも見かけます。ネット世界の集合知とも言われたウィキペディアがこんなことになっているなんて残念です。当ブログでもよく利用させてもらっているので、なんとかこの活動は末永く続いてほしいものです。

総じてCOURRiER Japon誌はカルチャーから政治経済またwebや科学まで扱っていてグローバルな総合誌としてはかなりのクオリティーです。また毎回豊富なグラビアページに各国の記事には写真もついていて、分かりやすく女性にも優しい雑誌だと思います。前回に続いて今回も面白く世界視点で参考になる内容でした。

いち早く内容を知りたい方は、
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2009年11月17日

【提言】大前研一通信(2009.11.vol.182)

まずはR+様献本ありがとうございます。この雑誌は経営コンサルタント大前研一氏が各新聞雑誌等に寄稿した論文を集めた。1から10まで大前研一さんの言論雑誌です。私事ですが、だいぶ前に大の大前研一フリークの知人がいて、何度も大前氏の著書を薦められたことがあるのですが、経済にはとんと疎い私としては手に取るのはまだまだだなと一人合点していましたが、なかなか読み応えがありました。

まず冒頭の特集『鳩山新首相に告ぐ!400年に及ぶ「悪しき中央政権」を解体せよ』は面白く読ませていただきました。ただ個人的な突っ込みどころもあったので、その編はご容赦下さい。総論からいうと自民党の中央集権による55年体制を打破し地方分権を取り入れよ。という結論なのですが、そこまでの提言でちょっと??なところがありました。

まず、大前氏は民主党には中長期的な国家ビジョンがないとして、日本が不況から脱却するためにはまずマニフェストなどにはこだわるなむしろ忘れてもらってかまわないと大胆な提言をします。そしてコンサルタントとしてのマーケティング視点で国家を形成するならば、「自国(自社)」「国民、市民(顧客やマーケットの状況)」「アメリカや中国などの国際社会(競合相手)」を視野に入れて国家ビジョンを持たなければならないとしています。しかし、今の民主党は(自民党の間接的バラマキから直接的な)バラマキだけの自民党時代の悪癖を踏襲しているだけだとしています。世界は刻々とこの不況の中でも成長を続けています。アジアでいえば中国やインドなど、世界はすでにこれら新興国家に焦点を当てているのだと国家としての危機感を訴えています。またグローバルに活躍できる人材を育成するために特に、英語教育に特化した国家政策が必要だともしています。これは後半にも出てきますがMIT(マサチューセッツ工科大学)などが無料で授業動画を配信している時代です。今は英語さえできれば世界の一流大学講義すら学べる時代なのだとしています。また戦後日本の経済システムは85年の「プラザ合意」で終わっていたとする分析もあり、いかに日本が世界の潮流から遅れをとっているかということから、鳩山政権には新たなる国家ビジョン、新たなレジームを作らなければならないとしています。それは冒頭でも紹介した地方分権と地方自治だとしています。このあたりから、大前さんは意識的か無意識的か、リバタリアニズム的な社会を志向していらっしゃるのかなと思うところもありました。ただ基礎年金と生活保護を一元化するという言及で厚生年金などの二階部分は民間でやってくれという考え方は正しい。とする論説ですが、一体二階部分とは何でしょう。もしかして国民皆保険制度を民間化するということでしたら、きっと日本はかつてのアメリカの劣悪な保険制度になるでしょう。それでオバマがどれだけ苦心しているかはご存知の通りだと思いますが…それとロシアとの経済協力のために北方四島にこだわるのは良くないとする言説がありましたが、私はそうは思いませんでした。戦後から一貫して4島返還を主張してきた日本がそれを放棄すれば、経済どころではなく日本そのものが第二の敗北をロシアに宣言するようなものだと思うためですが、蛇足でした。

次いで「爆発的に経済成長する法」として大前氏の提言は過去のゼロ金利政策の失敗や政府の財政支出で景気対策をしようとも、その資金はほとんど海外に流れ無意味だとすることです。それをグリーンスパンが金利を上げたことで、海外から膨大な資金が米国に流れ込んだ具体例を示しながら説明しています。また金融の電子化、そして電子マネー取引など日本の経済はこれらジャスト・イン・タイムの経済をうまくとりいれなければ国際的にまた遅れをとるとしています。つまりこれはネットなどの利点をうまく利用できないために、本来ならば投資が見込める企業が機会を失っているとしています。世界の大企業の多くが、ネットでの受注から生産そして販売までトヨタ方式のように、短期間に消費者の手元に届くシステムを確立しているといいます。さらに大前氏はアメリカのヘッジファンドの投資を企業が受け付けない体質を否定的にとらえています。それは、日本で収益不審の企業であっても国によっては技術的にも価値としてもトップレベルとなれる企業なのだからです。アジアや発展途上国がヘッジファンドを通してこれら諸国へ販路を広げることで、その企業はもとより日本経済そのものが発展できるという提言です。さらに世界には3000兆円の浮いたマネーがあるといいます。これは流動的というか個人投資家から大手ヘッジファンドまで全投資家のマネーです。不況前には6000兆円はあったそうですが、現在でも3000兆円前後あります。それを日本に呼び込もうというのです。それは東京や横浜また大阪など湾岸地域を再開発し低価格(固定)で売り出し新たな100万人都市を作りあげるというものです。ただアメリカの住宅バブル的なものにはせず、地方自治体の債権や住宅の容積率を工夫し新たな経済拠点と投資を呼び込むという構想です。ただ、また私心ですが、地方格差が広がる点など大前氏はどう考えているのかなと思いました。

あと「急回復する世界、追いつけない日本」と題する大前氏の記事。これは大変参考になります。アメリカはリーマンショックから立ち直り、EUも同様に立ち直りつつあるという内容です。オバマ大統領はAIGに公的資金を投入しましたが、この企業のリスクを政府ではなく、市場が取引として商売にしようとしているといいます。つまり企業の不良債権やリスクすら商品として取引材料にしようというのです。ブラックブロックとピコムという企業はリスクを商品にすることで年率25%の利益を運用できるとしています。またEUも欧州中央銀行の融資で事態は終息に向かっているといいます。また東欧諸国はIMFに一度は断られるものの、SDR(特別引き出し権)建て債権を発行してもらうことになり、IMFから救済を受けられました。これによってユーロの台頭からドルの信認が少しずつ失われているのは周知の通りです。またEUはリーマンショックから教訓を得て新しい機能を備えようとしているといいます。かつてはジョージ・ソロスのポンド売りでイングランド銀行を倒したり、ジュリアン・ロバートソンがタイバーツを大量に売り浴びせタイの外貨の底をつかせたりといった出来事がありましたが、急成長する新興国中国は200兆円も持っているので手を出せる者はいないといいます。

また投資の傾向については日本の景気は底をうったものの株式より債権や日経225あたりが妥当だということと、住宅投資が狙い目なのだそうです。詳細は割愛します。

そうじて経済に詳しくないものでも、グローバルな視点である程度噛み砕いて分かりやすい大前氏の言説は参考にもなりますし、経済を通して世界の潮流が分かってよいものでした。ただ巻頭のオピニオンはすこし突っ込みどころもあって面白かったですが、それはご愛嬌というか経済的な視点がこの雑誌の趣旨なのだからそうなのだと思います。また機会があったら今度は大前氏の著書など読んでみたいと思います。冒頭に書いたように、知人が私におススメしてきた理由もうなずけるなと思いました。


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2009年10月17日

【国際雑誌】COURRiERJAPONクーリエ・ジャポン(2009.11)

この雑誌は知ってはいましたがなかなか手に取る機会がなく、先日R+がきっかけで読んでみようと手に取った次第です。表紙を飾るのは音楽家坂本龍一氏です。その坂本龍一氏が本誌では「森と地球の未来―サステナブルな文明へ」と題し坂本氏自ら責任編集ということで特集されています。

坂本氏は自身が発起人となり一般社団法人moreTree(モア・ツゥリー)という、森林や環境を保護する団体を作っています。それを中心に国際雑誌の強みである世界各国の記者たちよりの環境への取り組みや環境問題の現状などを写真と共に紹介されています。火を使わず煮炊きすることでCO2を出さない「太陽熱コンロ」や開発が進み深刻な状況にあるアマゾンからの報告、また森林の破壊とともに絶滅が進むゴリラの現状など、豊富な写真と詳細な記事で地球環境の現在がグローバルな視点で報告されています。

また二酸化炭素を消費するぶんだけ植林・森林保護をするという取り組みカーボンオフセットについての取材や、また近い未来に起こりうるだろう4℃の気温上昇で世界の環境変化をビジュアル的な紹介もあり、4℃上昇するだけで世界の大半は海面上昇で失われ大規模な砂漠化に見舞われるという恐るべき近未来の可能性も紹介され、改めて我々文明社会と地球環境のつながりを感じさせます。

また坂本龍一氏のモア・ツゥリーも独自の森林保護活動が紹介されており、スポンサーであるルイ・ヴィトン5代目経営者パトリック・ルイ・ヴィトン氏と共に活動している長野県の森林再生プロジェクトも両者のインタビューと共に紹介されています。

第2の特集である「世界が採点する“HATOYAMA”」では、世界各国の記者たちによる新政権を独自の視点で5段階評価していくというこれも意欲的な内容です。欧米からアジアにいたるまで各国複数の記者たちの採点は、おおむねアメリカのオバマ大統領就任の際に見られたような期待と変化そして少しの不安を感じているようです。特に東アジアの国々はその大きな期待の半面まだ評価が定まらない新政権の様子をうかがっているが分かります。

そして後半の特集CAINASPECIALでは急速な経済発展を遂げた中国で、現在脚光を浴びる80后と90后を紹介しています。80后とは1980年生まれ、文化大革命も天安門事件も教科書でしか知らない新世代の若者たちです。90后も同じで1990年生まれの若者たちのこと。一人っ子政策第1世代からの若者たちで、親達からは十分な教育と物質的に何不自由なく育った若者たちです。90年生まれも同じく歴史的な負の側面にはこだわらない新世代の若者たちです。政治や社会また古い因習にとらわれない生き方をするこれらの若者たちは夜な夜なロックミュージシャンのライブに行き、次々にネットベンチャーで成功する者や政界へ進出する者まで現れ、新しい中国の牽引役となろうとしています。この若者たちはまさに改革開放経済の生んだ時代の寵児であり、新たな中国の可能性となりつつあるといいます。

経済記事ではゴールドマン・サックス証券が取り上げられています。現在の未曾有ともいわれる経済不況の中で多くのアメリカ国民の困窮の中、ウォール街ではすでに過去最高ともいわれる給与水準に戻ってきているといいます。また政府がこのような金融企業のマネーゲームを抑制できないのは政府中枢に入り込んだこれら証券会社の元幹部たちや、いっそうの金融市場活性化を求めるロビー活動の結果であることが書かれています。現在もゴールドマン・サックスをはじめとする巨大金融企業らは、新たな市場の開拓と確保や不況の今でもよりリスクの大きなマネーゲームで莫大な利益を上げようとしているという読者には痛切な記事でもありました。

本誌はコラムも充実しており特集と同じく写真を利用したビジュアル的な世界各国の記事が載せられており、読者としても文章と共にその場の空気というか質感が伝わるような面白く時には考えさせられる記事が充実していました。こういった国際雑誌はグローバルな視点で日本を見つめ直し、また時々刻々と変化する世界を知るためには格好の雑誌ではなかろうかと思います。環境から政治経済までまんべんなく押さえた良雑誌で、坂本龍一氏の表紙など論壇誌ばかりを読む私としては、見た目から内容までカッコイイ雑誌だなと思いました。

追記 現在Yahoo!のX BRANDでは
クーリエ・ジャポンのコラム
「あの“目立ちたがり屋”、
ヒラリー・クリントンを見かけない理由」
が読めます。


PRESIDENT
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2009年10月02日

新潮45(2009.8)

またもや2ヶ月も古い本を紹介します。新潮社が発行する新潮45を読んだのは今回が初めてです。けっこうアングラ&サブカル色が強い左派よりの雑誌ように感じました。実際お読みになった人はもう忘れてしまっているかもしれないくらい、時間がたってしまいましたが、それはそれでなかなか面白かったです。

ざっと書くとメインの東国原英夫知事が寄稿した「我が闘争」という記事。読みませんでした。ご本人に興味がないのと、ある意味この人は芸能系マスコミの寵児ですが、主要な論壇からはほぼ取り上げられていないのが実情ではないでしょうか、まだまだ就任して1年とたちませんからこれからどこまでやれるか、ということに対しては期待するとこもありますが。

あと村西とおるさんの連載とか小谷野敦さんの連載など、結構性的な話題も多く新潮45という雑誌も違った意味で飛ばし気味だなと感じました。

読み応えがあったのは、佐藤優氏と元警視庁警視萩生田勝氏の外務省機密費事件の対談です。事件の被告の立場と取り調べた立場の人の対談です。読んでいるうちに、確かに外務省というのは謎多きところだなと思いました。一部に伏魔殿という表現がありましたが、なるほどという感じでした。2人にしても奥歯に物が挟まれたような言い方で、さすがにまだまだ言えないことが多そうですが、捜査がどの程度まで及びどこでつまずいたのかということが分かります。でも宮内庁長官まで事情聴取していたのには驚いてしまいました。

あと連載陣が豊富なのも良かったです。一部スピリチュアルの江原さんもいて、驚きましたがそれもご愛嬌でしょうか。ビートたけしさんの対談もありましたし、マツコデラックスさんや中村うさぎさん、さらには山口智子さんのコラムなんかもあって、なんだか硬いものから柔らかいものまで色々詰め込まれている1冊のように感じました。

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