2009年12月02日

中央公論(2009.12)

今回の中央公論はいつもと一風違っていたように思います。まず巻頭から自民党党首谷垣禎一氏の対談でしたが、これは当然のポジショントーク。そして今回から元厚生労働大臣舛添要一氏の「舛添要一の752日」と題した数回の連載が始まるという保守自民寄りの特集が組まれています。

まず舛添氏の第一回連載については後期高齢者医療制度についてですが、これは制度の問題もありますが、ほとんどが厚生族と呼ばれる族議員とのすったもんだや「後期高齢者」という名前の変遷などが切々と語られています。後期高齢者医療とは医療費の増大と世代間格差など多数の問題が絡んだ問題なのですが、根本的なのは税制の問題から作り直さなければならないとする舛添氏の意見もうなずけますが、自民が下野する前に言ってほしかった言葉です。

次に緊急特集とする「年金は甦るか」ですが、各論者が様々な意見や解説を書かれていますが、これはマスコミ等が盛んに論じている通りでそれに任せますが、これは一言につきます。何がしかの税制度を設けるか、消費税を上げるしかありません。民主党がばらまきマニフェストのために苦心しているのを一言でいえば、消費税など国民負担をしいることで民意を損ねると勘違いしているためです。基本的に社会民主主義国というのは高福祉高負担が基本なのですから、民主党がマニフェストを実行するならそれなりの国民負担をしいなければなりません。

そして八ツ場ダムのルポ。これはなかなか微妙な問題を孕んだ問題だと再認識しました。八ツ場ダムが中止になり賛成派も反対派も動揺を隠せない模様を取材しています。もともとダム建設地は源頼朝ゆかりの温泉地でした。反対派も温泉を生業とした人々です。ですが長い年月の間に切り崩しで分裂したり、移転先へ転居した人も大勢いたといいます。高齢化も進み、初代反対派の会長は引退しています。さらに移転地が険しい山の中腹で、移転するというより登山するといっていいほどの所だったといいます。実際に、移転地へ行く途中の道で転落死が起こっているほどです。前原大臣の中止の理由は、「できるだけダムに頼らない河川整備」という方針で、山を手入れして保水力を上げ、河川の水質をあげてゆくというものです。そして海に至るまでの生物資源を回復させる。また海岸侵食のための護岸整備が必要となるため、既存のダム改修に含めて公共事業が公共事業を呼ぶというといった社会コストの削減が理由だといいます。しかし、司法では反対派が敗訴しダムは治水に効果があるとの判断がでているだけに、前原大臣ならびに民主党はどのような反論をするのだろうというものでした。

そして一番の読み物は「日本は『核密約』を明確に理解していた」というインタビュー記事です。これはマッカーサー元帥の甥に当たる故マッカーサー駐日大使の生前のインタビューを再録したものです。マッカーサー大使は、日米安保改定の事実上のシナリオライターつまりは条文を書いた人なのです。その際、核の密約についても関わった当人なのです。マッカーサー大使はこういいます。

「アイゼンハワー元帥(改定時の大統領)が1950年に、北大西洋条約機構(NATO)軍最高司令官になった時、私は彼の補佐官で、(中略)ある朝、彼に『同盟条約の基盤を強固にするためには、何が大切なのでしょうか』と尋ねたのですが、彼は『第一に、参加国がすべて、平等な主権を持った国として扱われるということだ。第二に、参加国がお互いに、条約の中に、何よりも自分自身の国益があると感じることだ』と答えたのですね。

さらにアメリカの安全保障にとって重要な国はどこか、とも聞いたことがあります。彼は『まず、アメリカ自身と北アメリカ(つまりカナダのこと)、そしてNATOと欧州、そして日本だ。これがまさに、我々の考えている安全保障だ』と断言しました。彼は『信頼できて頼ることのできる戦力が、太平洋の両岸になければ、アメリカの通常兵器による抑止力は発揮できない。だから、我々の軍が日本のための抑止力として、日本に存在する必要がる』と言っていました。この彼の言葉が、安保改定を進めた時の私の哲学ですね。ダレス国務長官と吉田首相が交渉した旧安保条約は、基本的には非常に不平等な条約で、アメリカにいろいろな特権を与えていたからです。アメリカは、日本の中立化をもくろむソ連の脅威から日本を防衛するという重たい責任を負っていたからです。

ダレス長官は改定に断固反対でした(中略)アイゼンハワー大統領にも会いました。こちらは簡単なもので、大統領は『君の言うとおりだ。平等と相互信頼には基づく新条約を作る時期になったな』とすぐ同意してくれました。日本に帰って岸首相はさぞ喜ぶだろうと思って会いに行ったのですが、浮かない顔をしていました。『吉田さんとの間で少し問題がある。吉田さんに会ってもらえないだろうか』というのですね。吉田さんは会うなり『私が交渉した条約のどこに問題がある!』と言うのです。2人(吉田、ダレス)とも自分たちの作った条約にプライドがあったのでしょうね。

さて改定協議を始めると、問題が出てきました。特に核兵器の問題です。そこであなた(インタビュアー)の質問への答えですが。そういうことは、記憶にはないのですね。ただ岸さんとハーター国務長官が交換公文にサインをしています。書いてあるのは「合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更・・・」これが何を意味しているかわかりますか。そう核兵器のことですね。

―――いや、それは公開文書で、それではないはずです。ところで、安保改定に、軍は強く反対をしましたよね・・・。

その通りです。日本側は我々に、核兵器を積んだ船に関しては、給油などで日本に寄港する場合でも、すべて通知するように求めていました。しかし、この問題に関してアメリカの立場はずっと前から明確でした。海軍の船と武装はずっと前から明確でした。海軍の船とその武装は一体不可分です。どの船がどんな武装をしているかを明らかにしたら、敵に塩を送るようなものですから、我々は決して明らかにすることはありません。

―――核の搭載を通知しないのは事前協議の約束と矛盾しないのですか?

いいえ。それらの船は日本の中へ武器を持ち込んでいるわけではありませんから。ポイントはinto Japanですよ。この言葉は寄港を区別するために慎重に選んだ言葉なのです。それが、日本との協議をしている間ずっとアメリカ側のポリシーでした。」

以上がインタビューの抜粋ですが、これらを取材者は日本側との暗黙の了解があったのだとしています。言わずもがななことですが、いまや放射能漏れを起こすアメリカ原潜の事故すら普通に報道される時代です。つまりは公然の事実ということなのでしょう。

この特集に続いて「改めて日本人が認識すべき『核』の効用」と題する加瀬みき氏のおやっと思う論文が続きこれも一部紹介したいと思います。

『核の効用』

なぜ、国家は核兵器を保有しようとするのだろうか。ピエール・ガルワ将軍は、体躯は小さいが、シャルル・ド・ゴール大統領にも核戦略を教示し、90歳を過ぎても将校たちを前に教義もするフランスの核の大戦略家である。第二次世界大戦中、フランス降服後は英国空軍とともにパイロットとして戦ったが、戦況がいかに厳しくなっても降服をしないといわれた日本がわずか二つの新型爆弾で戦争に終止符を打ったことに深い衝撃を受けた。

フランスは約70年間で三度ドイツと戦い国土を侵略されている。第二次世界大戦ではわずか9ヶ月で降服せざるをえなかった。ガルワ将軍は、戦争を繰り返し、国土や国民を疲弊させてきた歴史を繰り返さないため、また終戦時にすでに明らかになりつつあったソ連の脅威からはるかに小さく弱いフランスが身を守るには核兵器しかない、との結論に達した。広島と長崎でその恐ろしさが証明されているからこそ、わずかな量の核兵器を持つだけで敵はフランス国土に攻め入ることはない、という確信は今でも変わらない。

核兵器を保有する理由をガルワ将軍はもう一つあげる。それはフランスのアンデパンダンス(自立)を守るためである。核は国の大きさにかかわらず他と対等に競い、影響を与える力を持つことを可能にする。敵の脅しに屈することなく、また味方からも自国の独立した政策の遂行を邪魔されない道が開かれるという。この二つの理由が総合作用するのは、北朝鮮やイランを見れば明らかである。

この論文に続いてその対イラクへのアメリカ政策を論じた海外記者の記事があるのだけどそれは本誌を見て確認してほしいと思います。簡単に書けば、アメリカがイランを押さえ込むにはロシアを動かすしかないということです。アメリカはロシアに再三、イランへの国連制裁への賛成を促してきましたが、なかなかいい返事をしません。イランも核査察に一時は応じましたが、それは複数ある核施設のひとつで他の施設で開発を行っているということです。またイスラエルやサウジアラビアをはじめとする中東諸国はこうしたイランの動きに危機意識を持ち、イランと同じく中東諸国と連携を緊密にしたいロシアはそうした国々のプレッシャーによって板ばさみになっているそうです。ただ、ロシアの核技術者の流失は避けられないもので、これにはアメリカも手を焼いているとか。ここで面白いアメリカの世論調査があるのでご紹介したいと思います。

今年の9月30日から10月4日にかけて、米国のピュー・リサーチ・センターが行った世論調査によると、米国民の78%がイランに対する経済制裁を強めることについて容認しているものの、56%はそうした制裁によってイランが核計画を放棄するとは思っていない。また63%の国民が、米国がイランと直接協議することを支持しているものの、64%が交渉は成功しないと見ている。そしてイランの核兵器開発を阻止するために軍事攻撃に乗り出すことを支持する国民は61%にも上っている。これから数ヶ月のうちに軍事行動が起こる可能性は、それほど高くはないと思われますが、懲罰的な制裁措置が取られる可能性は十分に残っています。

総じて巻頭の谷垣さんの対談と舛添さんの記事、そして核兵器についての一連の記事など、今までの中央公論のイメージとは違うような印象を受けました。今回だけか今回からか、中央公論も保守路線にいってしまうのでしょうか。それともやっぱり中央公論らしく野党びいきでそうなったのでしょうか。リベラルらしき論文は鳩山首相に真珠湾に慰霊に行くべきだとした記事以外は見当たらず、何だか正論と変わらなくなってきたなと思ってしまいました。ただ実はもう一つ特集があってそれは脳科学についてのいくつかの対談や論文なのですが、「・・・・・?」で、僕の知能がついていきませんでした。お許しを。ついでに先月号が読みたくてネットを含めた色んな書店を探してみたのですが、どこにも無くてそれだけが残念でした。カツマーの記事が読みたかったです。

追記
中央公論は読売新聞社の子会社でしたね。
そういえばそうでした。

保守?というより今までが何故?
という感じかもしれません。

PRESIDENT
/~\Fujisan.co.jpへ

ちなみに画像は先月号です。
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posted by hermit at 07:06 | Comment(0) | 論壇誌中央公論

2009年10月09日

【新たなる本流】中央公論(2009.10)

民主党連立政権が発足しました。中央公論としても安堵したというのが正直なところでしょう。特集の「日本政治激動の再出発」を読んでもよく分かります。それが中央公論の思想的立場なのか、選挙をあれだけ待たされたためかは読者の方々のご判断にお任せします。この特集における民主党の扱いを見るとある意味寛容であってほしいという感じでしょうか。まるで現在の混乱をある程度見越していたようです。官僚との相対しかたや小沢氏とそのチルドレンによる党内の派閥争いなど懸念の材料はいくらでもありますが、アメリカオバマ大統領と同じように発足から100日はハネムーン期としてメディアを含めて、見守ってほしいといったところのようです。

次の特集「子供が産まれない国」は住みたい産みたいランキングとして全47都道府県のランキングを載せています。現時点での1位は沖縄、最下位は奈良ということで、それぞれの県を取材し少子化問題について考察しています。ちなみに60年代との比較もあって、私の郷里はそのいずれもワースト5に入っているため少しこたえます。民主党が少子化問題をマニフェストに取り入れ何とか取り組もうとしていますが、単なるバラまきにならないかという懸念と、1位の沖縄を含め少子化問題について目立つ取り組みを行っている自治体はないようだとも結論しています。ちなみに沖縄は労働に対する住民らの考え方や民間の取り組みなどが功を奏しているとか、大阪のベッドタウンである奈良はその大阪の地盤沈下と共に少子高齢化が進んだとしています。

そして「天皇制・共産党・戦後民主主義−歴史としての『全共闘』」という特集です。目玉は全共闘時代に言論思想分野で注目を浴びた吉本隆明氏へのインタビューを中心に四方田犬彦氏などの内ゲバについての手記などもあり、なかなか興味深く読みました。私は吉本氏の著作は全く読んだことがなく生まれた時にはすでに学生運動は終わっていたという時代の者ですので、これを読んで吉本さんや全共闘がどうこうというのはありません。ただ吉本氏へのインタビューの副題が「戦後の転換点と左翼の終わり」というように、吉本氏はどこか冷ややかにかつあの運動が日本の何かを変えたという確信だけは持ち続けているように感じました。興味深いのは、60年代の運動には価値をおかず、吉本氏にとって全共闘運動とは70年だったという話、そして浅間山荘事件での敗北感というか焦燥感を強く感じていらっしゃるようでした。

あと四方田犬彦氏の手記は一種吉本氏のインタビューより興味深いものがありました。セクトや内ゲバというものが身近で起こっていた四方田氏は、運動とは距離を置きつつ知り合いが殺され、同じ大学の女子が運動には関わっていないにもかかわらず強姦されていたという事実に日々脅えるような日々をすごされていたそうです。当時から東京大学を拠点に全共闘運動は広がり、学生寮ごとにセクトが占拠していたような状態だったそうです。当時は大学内でも運動学生が居丈高に振る舞い、同級生の多くがその後共産党や労働組合の運動員となっているそうです。そんな四方田氏は思想と宗教との相関を見出したことから宗教学を専攻したのだそうです。この時代のことや思想や運動のことを理解するには同時代を生きるぐらい必要かもしれませんが、ただ四方田さんの手記を読むと、全共闘はソビエトの大粛清や中国の文化大革命と同じような過ちに走ってしまったのではないかと思うところもありました。

最後に新彊ウイグル自治区への潜入ルポも良い読み物でした。みなさまのご承知のように新彊ウイグル自治区はその地下資源から今でも自治区とは名ばかりの漢人による支配が行われています。現在大規模な開発が行われているそうですが、そこで得られる富のほとんどは移住してきた漢人のものとなり、ウイグル族は今でも粗末な集落で暮らさざるを得ないそうです。さらに政府は同化政策を推し進め、各村々では家庭ごとに労働者や漢人に嫁ぐために若い女性の供出を求められるそうです。これまで幾度もウイグル族たちは抵抗運動を行いましたが、今回も武装警察による徹底的な鎮圧が行われ、現在も緊張状態が続いているそうです。さらに政府は国際的に人権問題化することを恐れ、ウイグル族の暴動はイスラム過激派に先導されたことであり、我が国もテロとの戦いを行っているという言い逃れをしているといいます。チベットなどを含むこれら少数民族の火種は、もしやこれからの中国のアキレス腱となるかもしれません。

他にもタイ王国における動乱についての解説や連載コラムも面白いと思いました。中央公論は世界の話題もまんべんなく書かれてあるので安心して読めます。左派よりのところはありますが、それでもなかなか読ませる記事が多かったです。

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posted by hermit at 13:54 | Comment(0) | 論壇誌中央公論

2009年10月04日

中央公論(2009.9)

特集が超医療格差と題した医療問題についてでした。記事は医師であり医療評論家である久坂部羊氏が主に執筆していましたが、とても読ませる記事でした。医師会の弱体化と新会長の手腕による強引ともいえる官僚と医師会の癒着と新制度。筆者にいわせれば保険料が5割になるのも近いとか、さらに患者の格差のみならず医療者側の格差自体もこれから大きくなるだろうと予見しておられます。

竹中平蔵さんと山口二郎さんの白熱した対談も良かったのですが、竹中さんというのは本当に良くも悪くも学者さんだなと思います。小泉政権下では中心的な役割を果たしたというのに、問題を分析するどころかマクロ的に相対化することばかりで、二言目には「それは日本だけでなく世界的にそうなんだ」と格差についても不況についても語っています。

9月号はまだ選挙前の号ですが、すでに民主党政権を前提としたもので、政権交代前夜とする上杉隆氏や片山義博氏など4人の評論家によるコラムが載っていました。

特筆だったのは、昨今の地方分権の問題です。現在の石原都政などを見てもお分かりの通り、巷でいわれている地方分権には矛盾があるというものです。地方分権とはその名の通り国から地方への権限委譲ですが、その前に地方側にしても財政健全化の取り組みや財政再建の取り組みなどは行っているのかというのが主題。メディアでいわれる地方分権とは、どちらかといえば地方の市民のためというより地方公務員のためのもののように感じたと筆者は書きます。仮に石原都知事のように銀行を作り破綻させるといったことをする首長が現れた場合はどうするのかという懸念もあります。

総じて、中央公論は読ませる記事がたくさんあり、全部読もうと思ったら日がな一日かかってしまうくらいです。と書きつつ、まだまだ買ったのに読んでいない分があるのでこれからは雑誌積読よみ崩しの日々です。

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posted by hermit at 13:28 | Comment(0) | 論壇誌中央公論

2009年08月06日

面白いためになる!「中央公論(7)」

先日は産経新聞社刊行の正論をご紹介しましたが、いやはや中央公論も違った意味ですごくいいです。なぜ中央公論かといえば、中央公論社はノンフィクション系の出版物が多いことからという主観で選びました。それとやっぱり雑誌の表紙。

僕が読んだのは7月号でちょっと古いのだけど、いや〜こんなに濃い内容とは思いませんでした。というかこっちのほうが僕には合っているのかなと、何でも読みますが。

正論と違ってネット初出のものや特定のマスコミに対する意見というより、やっぱり伝統と格式というのがそれなりにあるんでしょうか、もう堂々と思想と言論という感じです。少しこちらは左派に近いような感じもしますが、リバタリアンの僕としてはそういうのも合ったのかもしれませんが。

中央公論がこのクオリティなのならば、結構買いかもと思います。政治もわりと客観的に解説してあるし、外交や安全保障についても同じ。7月号で面白かったのは、オバマ政権の内実についてけっこう詳しい論評があったことです。高い支持率を誇るオバマ政権の経済や安全保障また外交問題、また国民皆保険などの政策に対する鋭い分析はなるほどなと思わせます。またこういう雑誌でないとマスコミ世論を鵜呑みにして、アメリカの状況が分からなかったようにも思います。

社会の事柄に対しても分析の鋭さは同じで、これも7月号になるけどサカキバラ事件や秋葉原通り魔事件になどに対する平野敬一郎さんの対論も分かりやすいし、それに続く分析記事も面白い、時代とともに変化する経済状況や家族制度また時代の空気のようなものまで押さえてありこれも読ませるものでした。

コラムも充実していて食文化から書評また歴史読み物まで興味深く読むことができました。
ひとつ不思議に感じたのは。町田康さんの連載。たぶん随筆なのだろうけど目次には連載小説とあり、内容はというとご自身のと思わせる妻や新居のことなど町田さんらしく饒舌な筆致で書かれていて、随筆か小説か判別しがたいものこれこそが町田ワールドか、と驚いたくらいです。たぶん文章のなかに、この随筆を書けば原稿料がもらえるとか書いあったのでそうかなと半信半疑ですが思います。でも確かに町田康さんの文章は定評があるだけあって掛け値なしの面白さです。

中央公論は名前だけは知っていたものの、あまりの敷居の高さに手に取りづらいものがあったのですが、充分若い世代にもさくさく読めるほど分かりやすいし、そんなに難しくも堅苦しくもありません。次の機会に書店に行くときは、僕の入手候補に入れようと思います。

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posted by hermit at 15:50 | Comment(0) | 論壇誌中央公論
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