2010年03月02日

こころの元気plus(2010.03)

最初におやっと思ったことがあります。この雑誌は精神疾患の当事者とその家族のための雑誌です。この雑誌はNPO法人地域精神保健福祉機構コンボが運営発行しているのですが、(失礼を承知の上で書くと)今までは当の患者さんたちはおろかその家族すらも知らない、極めて知名度の低いマイナーな雑誌でした。現在は都市部の一部コンビニや書店にも置かれているらしいですが、それでもマイナーでしたが、今回の特集「役に立たないと感じます」の執筆陣が意外に豪華なのです。中でも香山リカさんが執筆され、それにご自身うつ病経験者である、藤臣柊子さんのエッセイマンガも載っており、少しずつメジャー化しているのかなと思いました。

特集「役に立たないと感じます」について、香山リカさんの自己肯定感を上げましょうというのは、今の勝間香山論争でも一貫して発言されている内容ですよね。つまりは自分自身の目標のハードルを下げましょうということですが、今回は読者が当事者ということで、ちょっとした方法など紹介しつつ分かりやすく書かれてありました。

今回の特集の「役に立たないと思います」についても今号でも、色んな考え方が示されているけれど、職場や人間関係でのことと、その人の存在としてという意味合いもあって、それは香山さんの言う自己肯定感のなさということだけど、精神障害において治るとか寛解するというのは、一部の人以外は発病前に戻るということではなくて、症状が無くなり落ち着くという状態ですから、どうしても「できること」より「できないこと」のほうが圧倒的に多くなります。さらにこういうことを思う人たちというのは逆に責任感が強いということもいえます。

「役に立たない」とは「役に立ちたい」ことで、つまりは「必要とされたい」という承認欲求なのかと思います。しかし、こういった自己肯定感の低下によっては自殺の危険すらあります。今号でも藤臣柊子さんのマンガには「役に立たない」自分は「生きていてもしょうがない」と自分を否定し自殺を考えるシーンがあります。まさに、役に立ちたいとは自分の存在意味の有無を問うような内容なのだと思います。

香山さんが言う自己肯定感を上げるということや、藤臣さんのマンガにある、人はいつか死んでしまうのだし、深く考えるのはよそうといったというように答えは、ある程度いったところで、踏ん切りをつけてしまおうというものだけど、それを許さないのが現在の社会であったりします。さらにこの人たちを救えるような環境も実際整っているとはいえず、それを説明すると昨今話題のベーシックインカム論にも触れなければならないかもしれませんが、大よそのことは、先日紹介した【家族とともにココロの病気と生きるコツ】で私なりの福祉のあり方などを書きました。

自殺者が3万人を超える時代となり、世の中は不況もあいまってますます殺伐としています。誰もが必要とされ肯定される社会というのは理想かもしれませんが、友人でも家族でもそれこそ職場においても、病気の有無に関わらず誰かに必要とされる社会があれば、どれほどたくさんの人を救うことできでしょう。人が生まれるとは何かしらの「役割」があるためだと思います。きっとそれは、時として大多数の一般の人とは違うかもしれません。ですが、その役割を見つけられない現代とは、かくも人を孤独に落とし入れ、これほどまでに人を自己否定に陥らせるものかと思います。


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posted by hermit at 22:16 | Comment(0) | こころの元気+
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